福寿のシフォンケーキ
―――「策士策に溺れる」。
策略を得意とする者は往々にして、策の弄し過ぎや 己の作戦への過信によって 失敗してしまうということわざ。
数日前、2月15日にバレンタインのお返しとして、アンジェのケーキをもらった話を覚えておいででしょうか。
夫の忘れっぽさを過信し、1ヶ月後のホワイトデーにも新たなケーキをゲットできるはずと油断しておりました。
しかし、私は取り返しのつかないミスを犯していたようです。
ケーキをもらった時に舞い上がって、
「なんでケーキ買ってくれたの?あ!バレンタインのお返し?!」
って言ってしまったのです・・・
この一言で、夫の中で「お返し終了」と記憶づけられてしまったようです・・・
近頃は「ケーキ・・・」と呟いてみても、
「こなのお返しはもう終わったきね(*´з`)」
と冷たい一言・・・
いいもん、ケーキくらい自分で買えるわいッ(。-`ω-)
と、お返しにもらうつもりだった 福寿のシフォンケーキを買いに行ってきました。
苺のシフォンと抹茶シフォン♪
折しも今日は雛祭り。
緑とピンクのペアで、雄雛と雌雛に見えなくもない。
並べてみると、苺の方がクリームたっぷりなのが際立ちます。
いつもなら抹茶派の私も、苺もいいかも・・・と思えてきました。
「ねえねえ、苺と抹茶なら苺がいいでしょ?」
いつも苺派の夫に確認してみます。
「どっちでもいいよ~」
と、振り向きもせず、熱の無い答え。
私「じゃあ、たまには苺を食べてみようかな♪」
夫「うん、まあどちらかと言えば 苺がいいかな」
・・・遅くない?
なぜ一度、「どっちでもいい」と言った?(-"-)
まあね、元々 抹茶を食べるつもりで買ってきたし。
気を取り直して!
抹茶シフォンをいただきます(´▽`*)
香りの良い抹茶スポンジに、甘さ控えめの生クリーム。
生クリームは甘すぎないけれど、こっくりと濃厚です。
苺の赤とマカロンの緑が、お互いを引き立て合っていて、見た目も美味しい♪
特筆すべきは、クリームの間に潜んでいる、粒の大きい小豆の存在。
固めの煮加減で、存在感があります。
10年近く前 こちらに嫁いだばかりの頃、初めて記念日に買ってもらったのが、福寿のシフォンケーキでした。
こちらに知り合いもなく、やっていけるのか不安だったあの頃。
美味しくて 可愛いケーキに勇気づけられました。
あの頃は、家でも仕事でも 四六時中 夫と一緒の暮らしになろうとは思いもしませんでした。
この10年で 福寿のシフォンケーキも小ぶりになったり、トッピングがサクランボからマカロンになったり、素人目に見ても分かりやすい変化がありました。
私達夫婦も10年前に比べると、小ぶりになったり(老化)、トッピングが増えたり(顔のシミ・しわ)したけれど・・・
1日1日、進化してきた証だと思いたい(「老化」って言っちゃってるけどね!(笑))。
「経年劣化」と落ち込まず、「経年美化」しているのだと捉えよう。
「経年美化」は、昨年亡くなった三浦春馬さんがおっしゃっていて、「なんて素敵な言葉!」と胸を打たれました。
1日1日、進化している実感があるからこそ、明日へ挑む勇気が湧く。
たとえそれが、ノーテンキな勘違いだとしても・・・
息絶えるその直前まで、「今日も進化したわぁ」と思い込んでいたいのです( *´艸`)