読書記録:太宰治著 『魚服記』(乙女の本棚シリーズ)
少女漫画のように麗しいイラスト(イラストはねこ助さん)・・・
乙女の本棚シリーズの『魚服記』を読みました(太宰治著)。
帯に「小説としても画集としても楽しめる」とある通り、まさしく大人の(乙女の)絵本。
フォーカスが合わない写真を見るような。
夢の中で 何者かから逃れて、見知らぬ町を走っているような。
もどかしさと 不穏な混沌・・・
説明を部分的に欠損させ、描写をまだらにする。
多分、太宰は意図的に行っています。
少ない言葉から ヒントを拾い集め、
少女の身に起こった出来事のパズルを完成させる時、
ねこ助さんの描く 少女の暗く、こちらを蔑むような瞳の意味が分かる・・・
乙女の本棚シリーズ、様々な近代作家の(どちらかと言えばマイナーな)作品が
出ているようなので、他の作品も手に取ってみたいです( *´艸`)