「ミレーから印象派への流れ」展:追記
「私、モネが一番好き」
そう母が呟いたのは、いつだったか。
私が小学生の頃だったと思う。
その一言で、私もモネが好きになった。
幼い私の半分以上の価値観は、母から引き継いだものだったと思う。
愛媛県美術館で開催されている「ミレーから印象派への流れ」展でも、
モネの「睡蓮」が展示されています。
ミレーが主役の展覧会なのに、会場を出てすぐの人気投票では、
モネの「睡蓮」がダントツ人気でした。
作品の知名度も人気の理由かもしれませんが、
やはり「睡蓮」の優しく穏やかで、ファンタジーな色使いが 万人ウケするのではないのでしょうか。
無機質な展示室にあって、そこだけふっと陽の光が射すような、
心を和ませる力が モネの「睡蓮」にはあります。
その力の源は、印象的に仕込まれたピンクの効果ではないかと思うのです。
作品に近づいて見ると分かるのですが、
睡蓮の緑の葉の上に、
青みが掛かった池の水に、
点々とピンク色が置かれています。
遠くから見ると、ピンクの隣の緑や青と混ざり合って、
明るい灰色のように見え、ピンクだけが浮いて見えることはありません。
けれど、近づいて見ると 空気全体にピンクの粒子が散っているように見えるのです。
これが、モネの絵を優しく明るくしているのだと思いました。
もしも。
日常の景色の中に、肉眼では見えないピンクの粒子を感じられたら。
それだけでHAPPYな雰囲気に包まれそうです( *´艸`)
たとえ、ピンクの粒子などなかったとしても。
自らがピンクのオーラを発し、周りの人にそれを感じさせられる魅力を備えられたら、どんなに素敵でしょう。
時々、傍に寄りたくなる魅力がある人っていますよね( *´艸`)
彼らはいつも笑っている。
目は優しい半月形をしていて、
目じりには笑い皺がある。
周りの空気はいつも軽くて、
たとえ嫌なことや不快なことがあったとしても
「いや~困ったな~」
なんてやっぱり笑っている・・・
何を話すわけでなくても、ただ同じ空間にいるだけで居心地がいい。
虫が光に誘導されるように、本能的に傍に寄って
心を休めたくなるような人がいませんか?
彼らが発していたオーラこそ、
モネが描いたピンクの粒子と同じものだったのかな・・・なんて。
ふと思い当たったのでした。