「ミレーから印象派への流れ」展:追記

「私、モネが一番好き」

そう母が呟いたのは、いつだったか。

私が小学生の頃だったと思う。

その一言で、私もモネが好きになった。

幼い私の半分以上の価値観は、母から引き継いだものだったと思う。

 

愛媛県美術館で開催されている「ミレーから印象派への流れ」展でも、

モネの「睡蓮」が展示されています。

 

f:id:conakichi:20210620161149j:image

 

ミレーが主役の展覧会なのに、会場を出てすぐの人気投票では、

モネの「睡蓮」がダントツ人気でした。

作品の知名度も人気の理由かもしれませんが、

やはり「睡蓮」の優しく穏やかで、ファンタジーな色使いが 万人ウケするのではないのでしょうか。

 

無機質な展示室にあって、そこだけふっと陽の光が射すような、

心を和ませる力が モネの「睡蓮」にはあります。

 

その力の源は、印象的に仕込まれたピンクの効果ではないかと思うのです。

作品に近づいて見ると分かるのですが、

睡蓮の緑の葉の上に、

青みが掛かった池の水に、

点々とピンク色が置かれています。

 

遠くから見ると、ピンクの隣の緑や青と混ざり合って、

明るい灰色のように見え、ピンクだけが浮いて見えることはありません。

けれど、近づいて見ると 空気全体にピンクの粒子が散っているように見えるのです。

これが、モネの絵を優しく明るくしているのだと思いました。

 

もしも。

日常の景色の中に、肉眼では見えないピンクの粒子を感じられたら。

それだけでHAPPYな雰囲気に包まれそうです( *´艸`)

 

たとえ、ピンクの粒子などなかったとしても。

自らがピンクのオーラを発し、周りの人にそれを感じさせられる魅力を備えられたら、どんなに素敵でしょう。

 

時々、傍に寄りたくなる魅力がある人っていますよね( *´艸`)

彼らはいつも笑っている。

 

目は優しい半月形をしていて、

目じりには笑い皺がある。

 

周りの空気はいつも軽くて、

たとえ嫌なことや不快なことがあったとしても

「いや~困ったな~」

なんてやっぱり笑っている・・・

 

何を話すわけでなくても、ただ同じ空間にいるだけで居心地がいい。

 

虫が光に誘導されるように、本能的に傍に寄って

心を休めたくなるような人がいませんか?

 

彼らが発していたオーラこそ、

モネが描いたピンクの粒子と同じものだったのかな・・・なんて。

ふと思い当たったのでした。