アマリリス
『アマリリス』
病床に伏してなお 彼は煙草を吸っていた
余命を嘲笑うように 幾本も幾本も吸っていた
医者は眉根を寄せ
母親は泣き崩れ
僕は 彼を 誇った
「アマリリスになりたいなあ」
ぽつりと 彼が呟く
眼裏に焼き付くほどに
紅く咲いてみたい
記憶に焦げ付くほどに
紅く、紅く・・・
窓の外
アマリリスは咲いている
陽光を弾き
紅い舌を反り返らせて
仄暗い予感ごと
切り捨てる 鮮烈な紅
「アマリリスになりたいなあ」
彼が加えた煙草の先に
ちろりと儚い 炎の花びら
俯く母の隣 僕は彼を仰ぐ
その静かに燃える 魂を
美しく気高い この華を
僕は 密やかに 讃えた
アマリリスを見る度に、高校時代に作った詩が頭をよぎります。
部分的に気に入っていたのですが、どうしても完成形にできなかった詩です。
ふと、きちんと終わりまで書きたくなって、仕上げてみました。
今年から、アマリリスを見てもモヤモヤしないかな・・・( *´艸`)
アマリリス。
4月頃から咲き始めて、
「こんなに早く咲く花だったかしら?たしか、秋頃まで咲いていたような・・・」
と首をひねっていましたが、春咲きと秋咲きの品種があるそうで、納得しました。
春咲きの開花時期は3月末~6月とのこと。
そろそろ、見納めですかね?
ところで、以前 アジサイの花のように見える部分は、実はガクなんだというお話をしました。
そして、花の部分が咲いているのを見た事がない!と書いたのですが・・・
先日、ガクアジサイの真ん中にある粒々(花)が、咲いているのを見つけました!
粒々がところどころ、パカッと咲いているのが伝わりますか・・・?