香川旅の2日目は、台風の影響で雨・・・
雨の中歩き回るのは億劫だったので、2日かけて周る予定だった施設を、1日目に全制覇しました。
空白になった2日目の予定を埋めるべく、なんとなく検索してみた 地元・高知の美術館。
白木谷国際現代美術館に行って来ました。
南国市の山の中、突如 手作り感あふれるノスタルジックな建物が現れます。
隣で畑仕事をされていたおじいちゃんに駐車場を訪ねたところ、
「はい、はい、ここで。まあ、まあ。どうも、どうも。」
と、とても可愛らしい反応。
入館してみて分かったのですが、この方がこの美術館を手作りされた芸術家・武内光仁さんでした。
入館すると、奥様が迎え入れてくださり、館内の順路などを説明して下さいます。
チケットはコーヒー付で550円でした。
コーヒー付って、すごいサービスですよね?!
冒険の始まりは、重々しい木の扉と鳥居を潜る入口から。異世界に引き込まれていくワクワク感があります。
まず最初に、「母体の中で見た厳しい現実の夢」という立体作品の廊下を進んでいきます。
天井からぶら下がる木のブロックは、さながらDNAのように螺旋を描いています。
そのブロックの間を縫うように進んでいきます。
青く塗られた壁はボコボコしていて、母のお腹の中のように感じました。
次に現れる「父母の門」という作品は、たくさんの鳥居が連なっていて、そこを潜って行きます。
「あ~、母の胎内からこうして生まれてきたんだなあ・・・」としみじみと感じ入ってしまいました。
そこから先の部屋は展示室になっていて、様々な作品が飾られています。
学がなく 月並みな表現しかできませんが武内さんの作品は、ポップな色使いで生命力とエネルギーに溢れています。
鮮やかだけど、少し濁った独特の色合いが、私にはものすごくリアルに感じられました。
絵空事ではなく、地に足をつけて現実を生き抜いていくバイタリティーを感じました。
屋外展示では、巨大な作品が多くて圧倒されます。
竹藪を切り開き、土地を開墾して展示スペースを確保することから制作を始められたそうで、
その集中力と根気を思うと、もう平伏すしかありません。
理想からほど遠い現実に対峙し、頭の中だけに存在する完成形を目指して、コツコツ手づくりしていく その勇気は どこから湧いてくるのでしょう…
70歳を過ぎてなお、挑み続けるそのバイタリティーに、我が身を恥じるばかりでした。
良い刺激と元気をいただき、
心が弱った時にまた喝を入れてもらいに訪れようと勝手に思っています。
3ヶ月ごとに展示内容が変わるとの事なので、そちらも楽しみです。
展示を一通り鑑賞し、スタート地点に戻ってくると、奥様がコーヒーを準備して下さいました。
ゆったりとお茶をしながら、武内さんの制作風景の写真なども見せていただくことができました。
地元にこんなに素敵な場所があったなんて・・・
是非是非 多くの方に行ってみてほしい、おすすめスポットです。
芸術の秋、南国市で現代美術に触れてみてはいかがでしょう?