読書記録・『図地反転』

図書館で目に留まり、借りて来ました。

曽根圭介さんの『図地反転』。

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表紙のイラストだけで、読むのを決めました。

つい先日、科学雑誌ニュートンに同じような壺の絵が掲載されていて、気になって気になって。

 

この白い壺の絵、背景の黒い部分に注目すると、2人の横顔のシルエットになっているのです。

このように2種類の見え方をする図形を、図地反転図形と呼ぶのだそうな。

 

著者の経歴を見ると、ホラー小説大賞も受賞されていた方だったので、久しぶりにホラーの世界に没頭するかあ♪とドキドキしながら持ち帰りました。

 

半分ほど読み進めて、「ん?ホラーじゃないな・・・」と気づきましたが(遅い?)

幼女殺人事件の犯人を追うストーリーに引き込まれてしまいました。

中でも、容疑者と警察官の取調室での迫真のやりとりは圧巻です。

それぞれの人生、それぞれの思惑があって、なんとも切ないのですが、ラストシーンは読む人それぞれの価値観に上手くハマる展開と言えるのではないでしょうか。

 

最近の私は、先日紹介した さとうみつろうさんの『悪魔とのおしゃべり』にどっぷり影響されているので、小説までスピリチュアル寄りに解釈してしまいます。

私が見ている世界は、私の先入観で出来上がった世界であり、真の世界ではない。真の世界と私の世界の間に大きな亀裂が生じる時には、大きな感情の爆発がセットになっているんだなあ・・・と。

作中で何度か 登場人物達が我を失って激怒するシーンがありますが、必ず極端に個人的に偏った感情が発生している時なんですね。

それを踏まえて・・・私も大きな感情の起伏があった時には、ぐっと思いとどまって冷静に状況を確認しないといけないなあと反省させられました。

言うは易し・・・ですけれどね(^^ゞ

 

それぞれの人の世界観を否定することなく生きていける余裕。

ついつい、相手も自分と同じ価値観を持っている前提で接してしまいます(^_^;)

自分の至らなさに気づいて変えていくのもまた人生の楽しみ。

試行錯誤でやってみます(^^)